1.橋の下にて

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「そうですか……。幾つ?」 「18歳」  見た目よりも少し高い年齢に童顔なのだ、と蓮は了解した。綺麗だけれどもまだまだ子供である。  しかし、スタイルだけ見れば大人で濡れているせいで胸などがより強調されていた。  蓮はさりげなく雪弥に上着を着せた。何となく、他人に見せたく無かったのだ。 「18歳かぁ……」  蓮が溜め息を漏らすと雪弥がムッ、と頬を膨らませる。 「18歳じゃ駄目?」  蓮より低い位置にある瞳が不満げに見つめる。女性の上目使いに慣れている蓮だったが流石に一目惚れともなると容易に振り払えない。 「駄目じゃ無いけど……」  否定を表す言葉に雪弥パァーッ、と笑みが綻ぶ。神々しい笑顔に胸に突き刺さる矢が痛い。
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