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最近、蓮には思うところがあった。
言うまでもなく雪弥についてである。
ビールを飲みながらパソコンの画面を見ては見るだけに留まる。
既に夕御飯は食べ終わりこのビールは2本目だ。
蓮は酔わない体質が故に限界を知らない。ご飯代わりに大量に摂取して来た為に全くもって潰れたりしなかった。
ガチャリ、と鍵の開く音がして悩みの元凶が頬をピンク色へと色付かせて出て来る。
少しだけ長くなった髪からは雫が垂れていた。
あれほど髪を乾かすように促しても雪弥はほとんど聞かなかった。
「全く……」
何食わぬ顔でテレビに向かって体操座りをする雪弥に蓮は後ろから近付いた。
「やっぱり、来たね」
「来ました」
雪弥は蓮の行動ににこにこと微笑む。
蓮はタオルで雪弥の頭を包んでわしゃわしゃ、と水気を取った。
「ふふっ……。なんかねぇ、良いよね、こうゆうの」
雪弥は自分が髪を拭く事を楽しそうに語る。
甘える人が近くに居なかった反動が来てしまったかのように最近の雪弥は甘えん坊になってしまった。
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