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「……やっぱり、無理だよね……?」
しょんぼりした声に蓮は慌てて否定する。
「全然っ、大丈夫ですっ! 僕なんかで良ければ行きましょうっ!」
「本当っ?!」
間髪入れずに喜びを表す雪弥に蓮は顔が緩む。
その笑顔を見れた事で蓮は“梶原 空斗”が本人であるか、否かはどちらでもよくなった。
万が一本人でも……困る事は山のようにあるが……今は考えない事にした。
出会ってしまったら、その時はその時である。
「何曜日の何時ににする?」
「では……最終日の1番最後で良いですか? 木曜日なら開いてるはずなので……」
蓮はパソコンのスケジュールページを開いた。
クリックすると2ヶ月先までのスケジュールがぎっしりと書き込まれている。
確かに木曜日以外は無理そうであった。
「少し待たせてしまいますが……どんなに頑張っても5時が限界ですね……。バイクを飛ばしてもあそこまでは30分は掛かりますから」
マウスをクリックする軽快な音が部屋に響いた。
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