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蓮の生活の中心はパソコンで、必要事項はそれさえあればすぐに引き出せた。
「分かった。じゃぁ、梶原先生にそう伝えておくよ」
「ありがとうございます。それと、僕達は“夫婦”なんですけど……それは秘密にしておいて下さいね?」
「そうだよね……。うん、それも了解」
雪弥は少し違和感のある笑い方をした。蓮はそれが気にならない、と言えば嘘になる。
蓮はソファーまで歩いて雪弥の隣に座った。
「雪弥」
蓮は名前を呼んでそっ、と抱きしめる。
「そんな顔しないで下さい……。何か言いたいなら言って下さい」
「違うの……。これ私のエゴなの……。他人じゃないのに他人の振りが嫌なんて……」
そんな言葉に蓮はより強く雪弥を感じた。
「卒業したら……堂々としましょう? それまでは……」
「大丈夫。あと半年……半年だけ頑張るから」
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