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「なかなか強情ですね? 性格はそのままで安心しましたよ」
「たった7、8年では変わりません……」
胃がキリキリと痛む。締め付けるように迫る。
「従兄弟との再開に青ざめた顔なんて相変わらず失礼な人間ですね」
「……別に。いつもと同じですよ?」
「へぇ……。それなら良いんですけど」
昔から……この従兄弟の心をえぐるようなあの目が苦手だった。否、嫌い……だった。
見たら闇に飲み込まれるくらいに黒い瞳。逃げられないくらいに囚われるのだ。
それを必死に避けていた蓮の顎を空斗はクイッ、と指で掴み自分の方へと思い切り向かせた。
「話をする時は人の目を見て話しましょう? ね?」
年下の空斗が発する言葉の圧力に蓮は固まる。
目は驚きのあまり見開かれていた。
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