10.三者面談にて

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「ま、相手に問題大アリですけど……ね。君も悪い大人に引っ掛かりましたね、全く……」  本人を目の前にして“悪い大人”とは言ってくれる……。良い勝負だろ、と言いたい所を深呼吸でごまかした。 「そんな事はないです……っ。蓮さんは……私を……」 「救う、なんて甘い考えと言うやつです。逆に聞きますが貴女は何を根拠に“彼が自分を救ってくれる”と?」  空斗は自分を嫌いに違いない、と感じた。自分も好きではないけれど露骨な表現に我慢も限界に近い。 「そうではないですけど……」 「そうでないならただの愚か者になりますねぇ?」  雪弥が頑張って擁護してくれた優しさが嬉しく、そしてそれを馬鹿にした空斗に腹立たしさを感じた。殴りたくなる。 「何が言いたいっ!? 雪弥を無理矢理望んだのは僕だっ! 僕が彼女を求めた。他に聞きたい事はあるかっ!?」  
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