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やがて全てのパネルが裏返り、視界にはただ広く障害物のない部屋が映る。
その部屋は、高級ホテルのワンフロアの壁を全てぶち抜いた程の広さがあり、床・壁・天井全てに波のように緩やかな凸凹の対衝撃クッションが敷き詰められている。
俺は、目の前の文字を取り払うべく、自分の耳の裏にかけているゴーグルを外す。
「いゃそういうことじゃな……」
反論しようとした口が固まった、開いた口が塞がらないというのはこの事か、と理解した瞬間だった。
アーノルドに関しても言わずもがな、ガチッと硬直している。
それでも先に動き出したのはアーノルドだった。
「あ、あなたは……リンドバーグ・ルッケンス様……ですか?」
アーノルドの声が震えている。
無理もなかった。
リンドバーグ・ルッケンスと言えば、前アーリアル戦線で活躍した英雄だからだ。
リンドバーグは、含み笑いをして、それにゆっくりと答えた。
「いかにも」
すっげ~格好いいんだけど!
でも、なんでそんな人が俺達の所に来たんだ?
期待の新人ということで試しにきたのか?
だとしたら名をあげるチャンスだ!
そう思った。
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