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「しっかしアレだな、すげぇな俺達」
「いきなりなんだ……まぁ凄いのは認めるがな」
シャワーを浴びて汗を流した俺達は、リンドバーグ・ルッケンスに言われた通りにラウンジに向かっていた。
「なんだよ『認めるがな』ってよぉ、3英雄の1人からの呼び出しだぞ?普通は飛び回って喜ぶところだろうが、すましやがって」
俺はアーノルドの肩に手を回し、しかめっ面をして相手を見る。
「馬鹿言え、十分喜んでるし、喜び通り越して感動もんだ」
そんなアーノルドは、鬱陶しいと言わんばかりに俺の腕を弾く。
「あーはいはいそうかよ」
俺は、弾かれた腕を戻さずに頭の後ろで組ませる。
隣りから気の抜けたため息が聞こえた。
「お前知ってるか?リンドバーグ・ルッケンスって言ったらな、この国一番の体術家なんだぞ。なんでも戦場では刀剣類は持たずに、自らの拳で敵を制圧していくらしい」
「え゛っ……それって相当凄くないか?」
「つまり俺達は、そのかなり凄い技を間近で見たわけだ、お前も見ただろ?あの全身の筋肉、あんなもん一朝一夕で身につくもんじゃないし、何よりあの体格だな」
「お~お~、確かにデカかったな。お前が177㎝だったろ?林檎1つ分だったもんな」
「……変な例え方だな。でだ、軍も馬鹿じゃない、そんな人材をなんで本部にも……」
「ああ、やっぱお前も気になってた?」
俺は、アーノルドの言葉の途中で割って入った。
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