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エレベーターを降りた俺達は、リンドバーグを探すためにそのフロアを探し回っていた。
『ここに来い』とは言われたものの、どこにいるのか分からなかったからだ。
ここのフロアは、飲食店の立ち並ぶフロアで、和・洋・中と様々な料理が楽しめる作りになっている。
その中でラウンジと呼べるような場所は、あらかた探したのだがどこにもおらず、たった今2周目を回ったところだ。
たまらず、どこにいるんだよ、と弱音を吐こうとした瞬間に声がかかった。
「おぅ、やっと来たか」
小さくではあるがリンドバーグの声がした。
俺達は慌て声のした方向を向くが、誰もいない。
「今……声がしたよな……」
「あぁしたな、どこからだ?」
念のため俺達は辺りを1周見回してみたが、いない。
「もしかして……英雄クラスになったら姿を消すことができるのか!?」
俺は、冗談めかして言ってみた。
「そんなわ……」
「おい、こっちだ」
アーノルドの言葉を遮るように、再び同じ方向から声が聞こえる。
よくよく言葉の途中で割り込まれる奴だ。
俺達は、声の方向を凝視した。
目の前には、薄暗く照明の焚かれたバーがある。
その扉の向こう側に、やけに体格のいい男が座っているのが見える。
だが、バーの扉には『Closed』の看板が下がっている。
俺達は、互いに顔を合わせた。
「閉店って書いてあるな」
「あぁ」
「でも、あれだよなぁ」
「……行くしかないか」
「だな」
俺達は、その閉店中のバーの扉を開け、中に入った。
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