第1章

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「さて……順を追って説明するぞ。まず俺がここにいる理由はな……」 俺は息をのんだ。 なぜ前線を離れてここにいるのか、それが分かる! そう思うと体が固まっていく気がした。 「なんのことはない、ただの現役引退さ。人間歳にはかなわんもんだ」 理由を聞いたからか、本人の言動が軽かったからか、体から力が抜ける。 と同時に、テーブルの下の見えない場所で拳を作る。 アーノルドとの賭けに勝った。 ただそれだけの拳。 そうしている間にも話しは進む。 「まあ、だから今までの経験をいかして、指揮官を務める事になったわけだ。どうやら上は、俺を楽にさせてくれそうにないらしい」 リンドバーグは、やれやれといった感じで鼻息を漏らす。 「それは……今回俺達を呼び出した事になにか関係があるんですか?」 おお!切り出しやがったよコイツ。 言ったのはアーノルドだ。 リンドバーグは、鋭いな、と返事を返し、言葉を続けた。
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