ハウンド

第1章

「おっと、一番言わなきゃならんことを忘れていた。作戦開始は、今から１週間後だ。つまり、ここには４日後に再集合になる」

「４日後……」

俺とアーノルドは、声を合わせて言った。

「場所は第３ホール、荷物はそのまま持ってこい。あの面倒くさい激励の後に軍用列車に乗って、目的地までゆらりゆらりの３時間だ。ちなみに車内は禁煙、席は自由だ」

一気にまとめて言われたから、メモを取る時間さえなかった。
俺達は、ただ呆然と聞いていた。

一部不要な内容もあったが……後でちゃんとメモしとこう。

「で、なにか質問はあるか？」

質問……特にこれといって……あぁ、そう言えば着いた後の説明をしてもらってない。
そのことを聞いてみた。

リンドバーグは、カウンターに肘をつき、こう答えた。

「あぁ、そうだったな。ハウンド・フォックスは到着後、荷物を置き次第会議室に集合。一通りの作戦を通達したら解散だ。作戦開始まで１日時間があるが……まぁ好きに過ごしてくれ」

好きにって……いい加減だなこりゃあ。
まぁ１日くらい潰せるだろ。