第1章

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リオフリンツ広場に着いた。 今日は平日なので、人影はあまり見あたらない。 夏になれば、草原や木々のある広場だが、冬だとあたり一面雪化粧だ。 「遅い……」 「いゃ、わりぃわりぃ」 到着早々アーノルドに睨まれてしまった。 広場の中央にある時計台を掠め見る。 時刻は、同時45分。 約束の時間を15分ほど遅れた事になる。 「お前は俺を凍えさせる気か?」 アーノルドの姿を見ると、両手で自分の体を抱きしめ、少し震えているように見える。 セーターにマフラー、手袋に耳当てと完全武装だ。 アーノルドのいる周辺を見回すと、雪風から身を守るような遮蔽物は特に見当たらない。 あるというなら、時計台くらいだろうが、あまり意味をなさないだろう。 「このぐらいの寒さじゃ死なねえって」 俺は、笑いながらアーノルドの肩をバシバシ叩いた。 正直なところ、今のアーノルドを見て、今後の作戦に影響がでないか心配だった。 「く……まぁいい、さっさと行くぞ」 「おぉそうだったな……んで場所はどこなんだ?」 「リオフリンツ3番街のマンションだそうだ」 街の作りはいたって簡単で、街の中心が軍事施設全般で、そこから環状に広がっていて、上から見たらちょうどダーツの的のような円形をしている。 そして、その輪の地区でリオフリンツやらアーバルンやらの名前があり、その円を8等分したら番地になっている。 ちなみにアーノルドは、中央から数えて2番目。 ここリオフリンツは、3番目。 俺の家は、4番目にある……ちょっと遠いが、ランニングするにはちょうどいい距離だ。
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