序章

6/16
前へ
/160ページ
次へ
さらに敵が目前に迫ってくる。 敵の数は3人。 その3人共が、なにやら円筒形の物体を構えているのが分かる。 「あれってまさか……」 言葉を発したと同時に、なにかが連続で発射される音が聞こえる。 ソレは尻に火を焚き、口笛を吹くような音を立てて高速で向かってきていた。 くそっランチャーかよ! 俺はグッと脚に力を込め、前方に向けて跳躍する。 その直後に、弾が今までいた屋根に衝突。 爆音と爆風が巻き起こり、俺の体は一気に前方へ押し出された。 「ハウンドの身体能力を、ナメんなー!!」 俺は爆音に負けじと声を張り上げ、3人の上空を飛びこし、さらにそのまま3両ほど飛び抜く。 「うっしゃあ!ここだぁ!!」 風の抵抗により前に進む推進力を失う。 空中で体を反転させ、進行方向と逆を向き、腕を振り上げ剣を下に構え落下する。 それと同時に、車両の扉が金斬り音と共に火を噴きながら吹き飛んだ。 真下に刀を持った人物がいるのを確認して、車両の連結部分にそのまま剣を深く突き刺す。 それと同時に向かい側の刀が連結部分を切断する。 すると、ゆっくり後部車両が引き離されてゆく。 目の前の男は、余裕を持って前方車両の屋根に飛び乗った。 それを見て俺も屋根の端を持ち、逆上がりの要領で屋根に上がった。
/160ページ

最初のコメントを投稿しよう!

73人が本棚に入れています
本棚に追加