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「これで一見落着ってか?」
屋根の上に立ち、そこにいる男、アーノルド・シュヴァイツァーに話かける。
オールランド出身の彼は、その特徴的な空色の瞳、銀色の髪をなびかせながら前を向いている。
オールランドとは、かつてこのカサリアと戦争をしていて、苦闘の末に滅んだ国の1つで、彼はいわゆる戦争孤児というやつだ。
幼少の頃戦争で両親を亡くし、救済区で拾われ孤児院で暮らしてきたらしい。
そこには、戦争終結と相まって同郷の戦争孤児が沢山いたらしく、退屈はしなかったそうだが、やはり親を失った悲しみに泣く子供は少なくなかったらしい。
「残念ながらまだ終わってないみたいだ」
アーノルドの言葉が終わると同時に、金属を軽く叩いたような音が聞こえた。
そこにはフードを目深にかぶって、全身を黒い外套で覆った男が立っていた。
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