序章

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投げ飛ばされた俺は、空中で体勢を立て直し屋根に着地する。 男が動かないのを確認すると、そのまま剣をダラリと下に垂らし、耳に付いている通信素子に手を当て、男と対峙した向こう側にいる相棒に話しかける。 「今の捌かれたの、ちょっとショックなんだけど」 『全くだな、追い討ちすら外套をかすっただけだ、コイツはできるぞ』 「まぁ今までのがちょいと物足りなかっただけだよな」 『そうかもしれんが気を……』 俺はアーノルドの会話の途中で通信を切った。 我ながらひどいことをした気がするが、気にしない事にした。 向こう側ではやれやれといった素振りを見せ、再び得物を構えている。 「今回は楽しくなりそうだな」 剣を持ったまま肩を回し、相手を見据え2人同時に男に向かって斬りかかった。 その直後、目の前が真っ白になった。
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