73人が本棚に入れています
本棚に追加
投げ飛ばされた俺は、空中で体勢を立て直し屋根に着地する。
男が動かないのを確認すると、そのまま剣をダラリと下に垂らし、耳に付いている通信素子に手を当て、男と対峙した向こう側にいる相棒に話しかける。
「今の捌かれたの、ちょっとショックなんだけど」
『全くだな、追い討ちすら外套をかすっただけだ、コイツはできるぞ』
「まぁ今までのがちょいと物足りなかっただけだよな」
『そうかもしれんが気を……』
俺はアーノルドの会話の途中で通信を切った。
我ながらひどいことをした気がするが、気にしない事にした。
向こう側ではやれやれといった素振りを見せ、再び得物を構えている。
「今回は楽しくなりそうだな」
剣を持ったまま肩を回し、相手を見据え2人同時に男に向かって斬りかかった。
その直後、目の前が真っ白になった。
最初のコメントを投稿しよう!