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やっぱりダメか。
口をギュッと固く結んだまま、俯いちゃった。
「あの……別に、無理に言わなくてもいいんだけど……さ……」
僕は亜也美ちゃんの横に座った。
2分、5分、それ以上?
お互い黙ったまま、時間がどんどん過ぎていく(多分、実際は1分程度なんだろうけど)。
ふと、亜也美ちゃんが呟いた。
「お母さんに、怒られちゃったの……」
そしてまた、大きな瞳いっぱいに涙が溜(た)まっていく。
その涙を流さないように必死に堪(こら)えているからか、小さな体が小刻みに震えていた。
やっぱり意地っ張り。
僕の前でくらい泣いちゃえばいいのに。
「どうして……?」
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