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「わ……ぁ……!」
ほんの今までの泣きべそ顔が、みるみる晴れ上がっていく。
その視線は、僕の手の上にあるモノに釘付けだ。
「かわいい!和輝くん、これ、どうしたの?」
それは直径約2cmの青いビー玉。
でも、ただのビー玉じゃない。
光に当てると、その角度によって小さな雪ウサギが姿を見せるんだ。
どうしてそうなるのかは、僕には分からないけれど。
「今日、ピアノ教室に行ったら、先生がくれたんだ。これ、亜也美ちゃんにあげる」
「えっ?でも……いいの?」
そう言いつつも、明らかに亜也美ちゃんの顔は欲しがっている。
「うん。だって、亜也美ちゃんのためにもらってきたんだから」
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