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僕はさらに脚を速めた。
泣き声を追って辿り着いたのは、家からちょっと離れた所にある空き地の、さらに奥の林だった。
……ここは、僕と亜也美ちゃんの秘密基地だ!
わき目もふらず、林の中に駆け込む。
僕は一目散に、ふたりで作った基地に向かった。
基地っていっても、子供ふたりが入れるくらいの小さな穴を掘っただけなんだけど……でも、僕らにとってはとっておきの秘密の場所。
絶対そこにいるはずだから……いた!
ここなら誰にも見られないから、気を張らないで済むのだろう。
顔をグチャグチャにして大泣きしてる。
こんな亜也美ちゃん、初めてだ。
僕はちょっと戸惑った。
声をかけて大丈夫かな?
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