掌[テノヒラ]

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重ねた二つの掌から 気持ちが伝わらないか なんて子供じみたこと考えて 君の手を掴めなかった 「「君が好き」」な事 気付かれたくなかったから 君はあの時 哀しそうに笑ったね ごめんねなんて 言えなくて 離れていった 二人の距離 外れた左の掌を 見ていたら自分の手がとても 汚く感じるようになって 自ら目を塞いだ 「「君を汚す」」事だけは 絶対したくなかったから 君はあの日 何を思ってた? 理由なんて 説明できない 戻る事のない 二人の距離 あの日手を離さなかったら 今でも二人笑えてたのかな あの日「「ごめんね」」を言えてたら 君は笑ってくれたのかな 今なら手を握れる気がするのに あの日の僕には そんな勇気すらなかった...  
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