プロローグ

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あたしとの距離も、徐々にだが詰められてきている。 ――こいつら体は小さいのに意外と足が速い! この化け物、小学生くらいの小柄な体格で人間のように二本足で立ってはいるが、その容貌は明らかに人間のそれとは違っていた。 全身は深い緑色の、ヌメリ気を帯びたテラテラと光るウロコのような物に被われ、尖った耳に凶悪に吊り上がった赤黒く光る大きな目。 手や足の指は異様に長く、尖った長い爪が生えたその指の間には水掻きのような薄い膜が張っている。
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