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我々は、早速そのリュックサックがあるところまで、向かった。
足元は、腐食した木やコケなどで
かなり悪い。
A『この木の根元…』
其処にはかなりの年代物の楠があり、確かに根元には黄色の女性物のリュックサックが、隠す様な形で置いてあった。
私は、しゃがむとリュックサックに手をかけ、引き出した!
『えっ!』
一瞬、声にならない様な声をあげた…
A『どうした?』
私『いや、何でもない!』
一瞬、私の手に真っ白な手が重なった様に見えたのだ…
多分、錯覚だろうと思い
リュックサックの中身を覗き込んだ…
私『なんか入ってるぞ!』
A『何が?』
私が中から、封筒と空の薬ケースを取り出した。
私は確認の為、薬の内容物の書いた紙を見ていた・・・
色が変色し紙もボロボロだ。
何とか、読める場所を探して読むと、睡眠薬らしい…
A『ウワァッ~!』
Aが不意に、びっくりして落とした封筒を見て、目が釘付けになった…
封筒の中には、女性の髪の毛が入っていた…
多分本物だ・・・
昔の武士のちょんまげを、切る時の様に綺麗に束ね和紙に繰るんでいた。
しかし、気になるのは・・・・
その束ねた和紙の中に、錆び付いたカミソリが入っていた事だ。とりあえず、遺品かも知れない為、周辺を探して見た
周囲は、そろそろ日が落ち初め暗くなりつつある・・・・
下を、見回している私の袖をAが、引っ張る…
何度も、何度も!
私『何!早くしないと暗く…』
立ち上がって、振り向いた目線の先には…
楠の根元から、人の顔らしいものがこっちを見ていた。
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