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何とも言い難い空気が食堂を包み込む。
セイツ国王が頭を抱えたまま腰を降ろした。
『何という事だ…。余りに急な事でにわかに信じられん…。』
ギャスパー国王はセイツ国王の肩に手を置く。
『ですが、事実であれば、このような事をしている場合ではない。』
『そ、そうだ。わ、私は今すぐに国へ戻る。』
カンバス国王は慌てふためいて食堂を出ようとする。
すると、今まで考え込んでいたソフィア国王が口を開いた。
『カンバス国王!少しお待ち下さい。一つ話しがあります。』
カンバス国王は扉に手を掛けた状態で立ち止まる。
他の王達も皆一斉にソフィア国王を見る。
『チョークがシンの軍事行動によって滅亡したとなると平和協定が破られたという事。一度壊れてしまった協定なぞ何も意味を成さない。』
『うむ。確かにそうですな。………………………という事はお互い敵同士という事になるのですかな?』
エントール国王は腕組みしたまま、ソフィア国王に尋ねる。
『ええ。今の所はそうなっても仕方ない状況です。………………しかし、私は今のこの平和な世の中を壊したくはない!民から笑顔を奪うような世にはしたくないのです!』
語気を強めソフィア国王は話しを続ける。
『ですから、今ここにいる5人で、今一度、平和協定を結びませぬか?…シン王国が今後もどこかを襲撃しないとも限りません。ここで5ヶ国の絆を強めこの大事に備えましょう!』
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