152人が本棚に入れています
本棚に追加
シン兵の血に染まった地面に立ち尽くす青年は、自分の手に握られた剣をまじまじと見ながら呟く。
エデン『やっぱり凄いな。実戦になると改めて感じる。軽いなんてもんじゃないなコレ。』
エデンはベイルに貰った黒曜石の剣をビュンビュンと二回振り回しまたしても感嘆の声をあげる。
エデン『まるで剣なんて持ってないみたいだ。手を振り回すだけで相手が斬れていく…。こんな感覚は初めてだ。』
ボソボソと呟くエデンは背中越しに視線を感じ、振り返った。
エデンの感じた視線の主はキョトンとした表情の少女だった。
エデンは今まで自分が一人で呟いていた所を見られてしまった恥ずかしさと、シン兵との戦闘の興奮から少女の存在を忘れてしまっていた自分の間抜けさで、赤面してしまった。
自分でも顔が熱くなり赤くなっていることが分かったエデンは下を向いてしまった。
しばらく、二人の間に沈黙が流れる。
遠くでは、二人のいる凄惨な場所には似つかわしくない鳥達の歌声が響いていた。
最初のコメントを投稿しよう!