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ソフィア国王の言葉に緊張が走る…
暫くの沈黙の後、エントール国王が口を開いた。
『うむ!確かに今のこの平和な世を守らねばならぬ!シン王国の目的がなんであれ我々が警戒しつつ、きちんと結束しておれば簡単には手出し出来まい。』
ギャスパー国王も声をあげる。
『そうですな。このような時こそ手を取り合い難局を乗り越えましょう。』
『よし!それでは早速誓いの儀を…』
『待ってくれ!』
セイツ国王の言葉を遮りカンバス国王が叫んだ。
『私は、…私はその儀、受け入れられない。』
カンバス国王の言葉に他の王達は驚いた。
『何故です?』
ソフィア国王は目を見開いて尋ねる。
『シンが行動を興した今、私はどの国も信じられん。…………………我が国はその昔、大国エントールの脅威に怯えていた……。未だに我が国の民にはその恐怖心が根付いている。』
その言葉にエントール国王は悲しそうな表情になった。
その様子を見たカンバス国王は搾り出すように話し続けた。
『エントール国王…。私は貴方の人となりは分かっております。私が国王になり10年…貴方は私に、我が国に非常に良くして下さった。我が国が干ばつによって大飢饉になった時も真っ先に食糧の支援をして下さった。本当に感謝している。』
そう言うとカンバス国王は頭を下げた。
『ですが、やはり私は民の気持ちを鑑みれば…。』
と、呟き食堂を出て行った。
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