開口

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エデンは何とか立ち上がったのだが足元が覚束ない。 エデン(クッ…。油断した…。しかも、こいつは中々強いようだな…。) 大男はエデンに追い打ちをかけるでもなく、ただ槍を肩に担ぎながら笑いながら口を開いた。 隊長『小僧。お前はジワジワいたぶって殺してやるよ。ハッハッハ…覚悟しろよ。』 エデン『フンッ…。やれんのかよノッポ野郎。』 エデンも負けじと挑発する。 エデンはようやく頭のフラつきが収まって来た。 お互いが、体勢を整え武器を構える。 エデンは先程やられた右足首を地面に付けグッグッと力を入れる。 エデン(よし。かなり痛むが折れては無い様だ。だけど、長くは戦えないな…。ならば一気にケリを付けてやる。) お互い構えた所で二人を一瞬の静寂が包む。 近くの木々に小鳥が止まりさえずっている。 しかし、二人の発する殺気に気付いた小鳥達は一気に飛び立った。 それが引き金となりエデンは駆け出した。
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