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ラグノーマ平原にてエントール・セイツ連合軍を打ち破ったシン軍は勢いに乗りセイツ王国第二の都市グラス近郊まで攻め上がっていた。
しかし、自然の要害に守られるグラスを攻めあぐねていた。
シン軍駐屯地の陣営で二人の男が話し込んでいた。
グラビット『まさか、ここまで堅い都市だとは思っていなかった。』
シープラス『そうだね~。北と南の山を登れれば簡単に落ちるんだろうけどね~。』
そう言うとシープラスは小さな草を口にくわえて足を目の前の机に乗せ目を閉じた。
グラビット『斥候の話しじゃあ細い山道があったらしいんだが、我々のような大軍が通るには狭すぎるらしい。』
シープラス『ふ~ん…。』
グラビット『そのような細い道を通れば敵には格好の的になる…。それに道を塞がれでもしたら、それこそ全滅するやもしれん。』
シープラス『ん~…。』
シープラスが口にくわえた草をピョコピョコと動かす。
グラビット『かといって、正面にはセイツ軍が集中しているから被害がでかい…。現状打つ手無しか…。』
シープラス『…………。』
グラビット『早くグラスを落とさねばエントールから援軍が来てしまう…。何かいい策でも無いか?』
シープラス『…………。』
『ガンッ!!』
グラビットは机に拳をたたき付けた。
グラビット『シープラスッ!!起きろバカ!』
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