グラス近郊の戦い

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トリーンはグラビットの問いに少し考え込む。 しばらくして一言呟いた。 トリーン『山ね…。』 グラビット『山?まさかグラス山とクロック山の事か?』 トリーン『えぇ。』 トリーンは静かに答える。 グラビット『馬鹿言え。斥候からの報告を聞いていないのか?あんな険しい山道、大軍が通るには厳し過ぎるぞ!』 グラビットは語気を強める。 一方、シープラスはまたしても草をくわえて眠りかぶっている。 ジャックはジャックで俯いたままボケーッと一点を見つめている。 グラビットはチラッと二人の方を見たが、言っても無駄だと思ったのか何も言わずにトリーンの方へ向き直る。 トリーン『だからいいんじゃない。セイツ軍は私達が山道から攻めたら都合がいいでしょ?』 トリーンが口元に笑みを浮かべグラビットに問う。 グラビット『そりゃ、狭い山道に敵が群がってれば、殲滅するのはたやすい…。』 トリーン『フフッ。そうね…。山道から攻めたらボロボロにされるでしょうね。』
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