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朝露の滴が青年の顔に落ちる。
『朝か…。』
エデンは兵舎のテントの入口に置いてある木箱に寄り掛かり寝ていた。
立ち上がりひと伸びした後、テントの中を見渡すと他の仲間の兵士達はまだ寝息をたてている。
(外の空気でも吸いに行くか…。)
エデンが外にでると朝日が顔を出し始めていた。
テントを出て暫く歩き、陣の入口付近まで足を運んだ。
まだ起きている者はおらず、辺りはシーンと静まり返っている。
途中、見張りの兵士に挨拶し、また少し歩いた。
ふと気付くと向こうに一人の人影が見えた。
(俺の他にも早起きな奴がいるんだな…。)
そんな事を考えながら、その人物に向かって歩き出した。
エデンが近づくとその人影は気配を感じ取ったのか振り向いた。
エデンはその男と目が合った。
男は朝日を背にしている為顔がハッキリ見えない。
すると不意にその男が声を出した。
『エデンじゃないか。久しぶりだな。』
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