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グラスは北にグラス山、南にクロック山がありその山間に建てられている。
シン軍がグラス内部に攻め入るは東側にある城壁の高い門からしか手段が無い。
その東門の城壁に部下達に忙しく指示を出す将がいた。
男はセイツきっての猛将で名をゼフといった。
ゼフ『夜とはいえ、いつシン軍が攻めてくるとは限らん。しっかり見張れ!』
セイツ兵『はい。将軍。』
ゼフは一通り東門の兵を鼓舞した後、自分の寝所ヘ戻った。
たくましく盛り上がった腕で自らの甲冑を脱ぐと椅子に座り酒を煽った。
ゼフ『ふぅ~。』
ゼフは一息ついた後、しばらく宙を見つめた。
先程、斥候から入った情報によると、シン軍は十二将騎士団が二人も援軍で到着したとの事…。
この事がゼフの気持ちを騒がせていた。
『将軍…。』
どれぐらい考え込んでいたのか……、ゼフは、不意に自分を呼ぶ声で我に返った。
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