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ゼフ『シンは、トリーンとか言う女参謀ともう一人知らない奴だが…十二将騎士団が二人も来たらしい。』
ゼフは一瞬だけ困った表情を見せた。
その微妙な変化を見逃さなかったカメルは、励ます様に言った。
カメル『大丈夫だよ叔父さん。グラスは山に守られた自然の要塞。十二将騎士団が四、五人来た所で簡単には墜ちない。』
ゼフ『あぁ、分かっている。分かっているんだが…、何しろトリーンは十二将随一の策士。それにグラビット、シープラスは用兵に優れた良将…。何か嫌な予感がするんだ…。』
腕を組んで目を閉じゼフは深く息を吐いた。
ゼフ『うちの将や隊長達は武力ならば太刀打ち出来るだろうが…いかんせん策に対する危機感が無さ過ぎる…。そこをトリーンに狙われたら…。そう考えると不安になるんだよ。』
カメル『成る程…。それは僕にも言える事だね…。戦闘が始まるとつい熱くなりすぎる…。気をつけるようにするよ。』
カメルはそう言うと無邪気に笑った。
ゼフ『あぁ。頼りにしてるぞ。ふぅ…、明日は激しい戦闘になるだろう。今日は早く休むとするか。』
ゼフは目の前にあるコップに酒を少しだけ注ぎ、一気に飲み干した。
カメル『そうだね。それじゃあ、僕も休むとしよう。おやすみなさい叔父さん。』
カメルは立ち上がりゼフに一礼するとテントから出て行った。
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