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ゼフは起き上がり、顔を洗う為に水瓶の置いて有る所へ行こうとした。
その時、テントの入口から声がした。
『将軍、起きておいでですか?』
ゼフ『あぁ、起きてるぞ。一体どうした?』
声の主は一般兵の様だ。
兵『実は先程、グラス山を見張っていた兵が数名のシン軍を目撃したようで…。』
それを聞いたゼフは慌ててテントから出た。
ゼフ『グラス山だと?』
ゼフがいきなり出て来た為、報告に来ていた兵は頭を下げた。
ゼフ『もっと詳しく聞かせろ。』
兵『はい。朝方、何気なく山道を見ていたら数名のシン兵が居たとの事。しかし、その目撃した兵によりますとグラス山の生い茂る木々や草と見間違えたのかもしれないとも言っております。』
ゼフ『うむ。はっきりと見えた訳では無いのだな?』
ゼフは腕を組み、問い掛けた。
兵『えぇ。何しろ一瞬だったらしく、見間違えた可能性もあります。しかし、一応報告をしておかねばと、カメル隊長が城壁においででしたので報告致しました。』
ゼフ『カメルは何と?』
兵『はい。隊長は守備の隊形を自分の一存で決める訳にはいかないから、将軍に指示を仰げと…。それと、隊長の隊から斥候を二人程、グラス山に行かせるとの事でした。』
兵は言い終わると顔を上げた。
ゼフは暫く考え込んだ。
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