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ゼフ(クソッ…。流石に行動が早い…。おそらくグラス山に現れたシン兵は本当だろう。しかし、それがどれぐらいの規模か分からない…。まさか、全軍を山道から攻めさせるような馬鹿な事はしないだろう。……………いや、相手はズバ抜けた頭脳の持ち主だ。下手に決め付けると足元をすくわれる。あらゆる奇策を想定しておかねばならん。)
ゼフは考えた結果、指示を出した。
ゼフ『念のためグラス山、クロック山の見張りの数を増やす。だが東門との連携が取れるようにカメルの部隊に情報部として動くように伝えろ。他の隊の隊長達には決して勝手に動くな、自分の持ち場をしっかり守れと伝えてくれ。』
兵『はっ。』
短く返事をした後、兵は駆けていった。
ゼフは兵の後ろ姿を見つめながら頭を掻いた。
ゼフ(戦闘が始まる前から心身共に揺さぶりをかけてくるとは…。俺は正しい判断が出来るのか…。部下達もここ数日で疲れてきている…。ずっと緊張状態が続いてしまっているからな。そんな思いが爆発して、勝手な行動に走る奴らも出て来るだろう…。ここが正念場だな。)
ゼフは振り返り自分のテントへと戻っていった。
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