グラス近郊の戦い

29/63
前へ
/223ページ
次へ
カメルの渾身の力を込めた矢が放たれる。 空気を裂きながらシープラスの眉間へと真っ直ぐに飛んでいく。 その時、シープラスは背後から身の丈程もある長刀を出した。 そして目にも留まらぬ速さで剣を振った。 寸前まで迫っていたカメルの矢を一瞬にして叩き落とした。 しかし、カメルは先刻と同様に二の矢を、更に三の矢を放っていた。 矢の三連射がカメルの今の渾身の攻撃だった。 シープラスもそれを感じ取っていたのか再び剣を振る。 『キン、キーン!』 二度の金属音がした後、カメルの二の矢、三の矢は地面へと突き刺さっていた。 それを皮切りに三方からシン軍がセイツ軍に突撃を開始した。
/223ページ

最初のコメントを投稿しよう!

152人が本棚に入れています
本棚に追加