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カメルが再び後ろを振り向きゼフの無事を祈っていた時、急に兵達の退却する足が止まりだした。
カメルは不思議に思い、先頭の方を見渡した。
すると、先頭にいた兵達が次々と回れ右をして今まで逃げていた方向とは逆に走ってくる。
その為、軍は混乱し遂には皆が足を止めてしまっていた。
カメル『何事だ!?』
カメルが一言呟いた時、一人の兵が叫んだ。
『前方にシン軍だ~!』
この一言でセイツ軍は更に混乱をきたした。
カメルは急いで軍の先頭へと馬を走らせる。
そこでカメルが目にしたのは紛れも無くシンの部隊であった。
一瞬で自分の胸の鼓動が速くなったのをカメルは自覚した。
それは戦いに胸踊る感覚とは違い、恐れから来るものだと察した。
しかし、よくよく見ると相手の兵数はさほど多くは無い。
寧ろ、自分達の兵数の方が多いぐらいである。
ここでカメルは覚悟を決めた。
カメル『落ち着け!!急ぎ隊列を整えろ!』
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