152人が本棚に入れています
本棚に追加
シン兵の包囲を突破したカメルは無我夢中で剣を振るった。
ただ、ひたすらグラスへ向かって文字通り突き進む。
そして、ようやくグラスの城壁が見えて来た。
カメル『見ろ!!あと少しだ!皆、気合いを入れ直せ!』
カメルの一声にセイツ兵の勢いが増す。
少ない兵数ながら踏ん張っていたシン軍も勢いづいたセイツの前に、遂に潰走しだした。
逃げ遅れたシン兵を斬り倒しカメル率いるセイツ軍は東門前までたどり着いた。
セイツ兵達に一瞬の安堵感が漂う。
城壁の上の守備兵達がカメル達に気付き慌てた様子で走り出す。
カメル『フゥ…。何とか帰って来れたか…。後は叔父さんが無事に帰って来てくれれば…。』
カメルも一息付いて後ろを振り返った。
セイツ兵達は皆、疲弊しきっていた。
最初のコメントを投稿しよう!