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『実はこの戦が終わった後、俺達エントール軍はシンに進攻する。』
『何っ!俺達だけでか?』
つい、大声を出してしまったエデン。
『バカ!声がでかいよ!』
『あ、あぁ…すまない。だが俺達は今回2軍団しかいないだろう?シンに攻め入った所で勝てる訳が無い。』
『まぁ、最後まで話しを聞け。もちろん俺達だけで勝てるなんて思っちゃいない。俺達は奇襲部隊として行動するんだ。』
『奇襲部隊?』
『ああ。今回の戦に勝ったら直ぐに南へ向かう。ラグノーマ平原を南に向かうとトライス渓谷に着く。そこは険しい山道と激しい川なんかがあって本来、人が通れる場所じゃ無い。だがウチの軍にその近辺に詳しい奴がいて道案内をしてくれる。そうやってシンへと潜入したらエントールからシンへ大軍を向かわせる。そうすれば当然シン軍は戦力をそちらに向ける。俺達はその隙をついて一気にシンの王都を奇襲、壊滅させる。』
レヴィンが話し終えるとエデンが言った。
『成る程…確かに理にかなっている。だが、そんなにうまく事が運ぶかな?』
すると、レヴィンが鋭い目つきで言った。
『運ばせる!絶対に成功させる!そして全てを終わらせてやる!』
普段、冷静でどちらかというと大人しい性格のレヴィンが熱くなっていたのでエデンは驚いた。
だが、レヴィンの覚悟と決意を感じ取ったエデンもまた心に熱いモノが沸き上がっていた。
『そうだな!全部終わらせてやろう。』
エデンも決意を込めて答えた。
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