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これをきっかけにシン軍は完全に戦意を失った。
我先にとグラスから背を向け逃げるシン兵。
タイガは追撃を止めない。
タイガ『あぁ?逃げんなよ!つまんねーだろーが!』
タイガは逃げるシン兵達の中で怒声をあげる。
更に近くにいたシン兵を殴り飛ばす。
だが、戦意を失った相手を叩いた所でタイガの鬱憤は晴れない。
タイガ『クソが!』
タイガがつまらなそうに上を向く。
すると逃げ惑うシン兵達の間を掻き分けて何者かがタイガに近づいて来た。
『相変わらずの暴れっぷりだな。』
タイガ『あ?』
タイガは声の主の方を見る。
タイガ『…!?テメーは確か十二将の…。』
『グラビットだ。貴様に会うのはこれで五度目だぞ…。毎回毎回自己紹介せねばならんのか…。』
グラビットは半分呆れた様子で声を漏らす。
タイガ『そんな事より相手が居なくてイライラしてたんだ!ちょうどいいから相手しろや!』
タイガは肩をぐるぐる回しグラビットを挑発する。
しかし、グラビットは表情を変えずに答える。
グラビット『悪いが貴様とまともにやり合うのは分が悪い。今日はここで引かせてもらう。』
そう言うとグラビットは馬に跨がり去っていった。
タイガ『なっ!?待てコラ!』
気が付くとタイガの周りには誰も居なくなっていた。
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