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エデン達が話している間に他の兵士達も起き出していた。
『おっと少し長い散歩になっちまった。』
エデンは尻に付いた砂を払いながら立ち上がった。
『さてと、ガンプ隊長を起こして飯でも食うかな。』
『あぁ、ガンプさんか。あの人が今お前の上か。ガンプさん面白い人だよな。なんていうか頼れる親父みたいな…。』
『ハハッ確かに。俺はあの人の事をどこか父さんとダブらせてんだ。一年前、ソフィア人の事馬鹿にした上官が居てさ俺、その上官ぶん殴っちまったんだ。それで有無を言わさず軍法会議にかけられて、他の隊へ転属か除隊処分かの裁定になったんだ。けど、どの隊からも渋い顔されて…でもあの人は行き場の無い俺を拾ってくれてさ。』
『へぇ。そんな事があったのか。』
『あぁ。んでその後、俺に何で上官を殴ったのか本当の理由を聞いて来て、全部話したんだ。』
『そしたら?』
『そしたらその上官ボコボコにして軍から追い出した。』
『ハハハ。あの人らしいや。』
『ハハハ。だろ?だから俺は隊長の恩に報いる為に毎日、朝の弱いあの人を起こしに行ってやってんだ。』
『なんだそりゃ…。』
『ま、そういう事だから俺はそろそろ行くわ。じゃな軍団長殿。』
エデンはレヴィンに手を挙げ兵舎のテントが並ぶ場所へ走っていった。
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