グラス近郊の戦い

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トリーン等三人が呆然としていると、逃げ惑うシン兵達の間からグラビットが馬を走らせ向かって来た。 トリーン等は急ぎグラビットの方へと駆け寄り声をかける。 トリーン『どうなってるの?状況を説明して!!』 辺りへ響き渡る声でトリーンが叫ぶ。 グラビット『どうなってるって見ての通りだ。そんなに大声で叫ばなくても聞こえてるよ。』 グラビットは片手で耳を塞ぎながら答えた。 しかし、トリーンは声の大きさを変える事なく叫び続ける。 トリーン『見ての通りって何よ!!あたしの戦略は完璧だったはずなのに!何でエントール軍が…』 その様子を見てシープラスがトリーンを宥める。 シープラス『まぁまぁ、落ち着きなよ~。グラス攻略の戦略は完璧だったけどさ~。エントールの援軍は最初から計算に入れてなかったんだろ~。』 トリーン『うるさいっ!』 ジャック『……トリーン……ヒステリー……。』 グラビット『昔から自分の予想外の事が起きるとキレる癖を直せって言ってるんだがな…。』 その時、逃げるシン兵達の体が次々と宙に舞っていった。 何事かと四人が視線を向けると巨大な人物を先頭に一つの部隊が現れた。
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