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エデン、クロム、周りにいる兵士達は皆一斉に声の主を見た。
そこには鬼の形相で腕組みするガンプの姿があった。
『エデン!クロム!また貴様らか!』
怒鳴りながらガンプが二人に近づく。
エデンは下を向き地面を見ている。
するとクロムは悪びれた様子も無くガンプに言った。
『隊長。俺はただ誇り高きエントール軍にソフィアの負け犬が混ざりこんでいたので追い払おうとしていただけですよ。』
ガンプはその言葉を聞くと、悲しげな表情を浮かべた。
『クロム…お前はまだそんな事を…。』
『負け犬が居るせいで我が軍の士気が下がってはいけないと思い注意しただけです。騒ぎになったのは申し訳ありません。』
クロムはそう言い残すとその場を去った。
エデンはクロムの後ろ姿を睨み付けながらも何も言わず立っていた。
暫くしてガンプは他の兵士達に各自朝食の支度に戻るよう指示した。
『エデン。ちょっと来い。』
ガンプはエデンに言うと歩き出した。
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