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『よし!この辺でいいだろう。すぐに隊列を整えろ!突撃の体勢を取れ!』
ガンプの大声が響く。
南へ向かっていたガンプ隊はレヴィンの指示通り敵軍を包囲する形を取っていた。
一分掛からない内にガンプ隊は隊列を整え指示を待った。
『軍団長!南のガンプ隊、準備完了致しました!』
『レヴィン殿。北の我がセイツ軍も配置に付きました。』
伝令兵の報告を受けたレヴィンは戦場を見据えた。
『よし。両隊長へ突撃命令!シン軍を完膚無きまでに叩きふせろ!』
『はっ!』
エデンはガンプのすぐ後ろに立ち突撃命令を待っていた。
『隊長…。』
『何だ?エデン。』
『隊長、俺は何だか嫌な予感がするんです。シン軍があまりにも無策過ぎる…。大体、シンは何故こんなにも無謀な戦いを仕掛けて来るんでしょう…。数で劣っている上に、正直、今回のシン軍は精鋭ではなく普通の一部隊…。絶対に何か裏があると思うんです。』
『そうだな。確かに嫌な予感がする。…だが、万が一何かあっても良いように覚悟を決めておけ。覚悟を決めておけば、何かが起こっても冷静に対応出来る。』
『………分かりました。』
エデンが呟くと同時に、どんよりとした黒い雲が空を覆いだした。
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