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『だったら尚更、隊長一人残して行く訳にはいきません!!』
エデンは大声をあげた。
しかし、ガンプは更に怒鳴るように吠える。
『馬鹿野郎!俺の命でお前等が一人でも生き残ってくれりゃいいんだ!』
エデンとガンプが言い争いをしている間、近衛部隊はゆっくり近付いて来る。
『何でもいいから早く行け!!』
『嫌です!俺も隊長と一緒に死なせて下さい!』
エデンは知らない内に涙を零していた。
『この分からず屋め!オイ。ザクト、ライル!この馬鹿を連れていってくれ…。』
ガンプは振り返り生き残りの兵二人に言った。
二人は唇を噛み締め頷くとエデンの腕を抱え込み強引に引っ張った。
『ザクト!ライル!離してくれ!俺は隊長とここに残る!』
エデンは泣き叫びながら暴れるが二人に抱えられているためズルズルと引きずられていった。
ガンプは自分の部下達の姿が小さくなっていくのを見て呟いた。
『じゃあな…馬鹿息子共…。』
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