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『よし。あいつらは随分遠くまで行けたようだな。』
ガンプは息を吐き近衛部隊の方へ向き直った。
すると近衛部隊の中から手をパチパチ叩きながら一人出て来た。
『へぇ~。立派な隊長さんだ事。』
ガンプは声の主を見つめた。
『…十二将さんのお出ましかぃ。』
黒いウェーブのかかった長髪に眼帯を付けた中年の男がガンプの前まで歩いて来ていた。
『…ふぅ~。突然の雨でずぶ濡れだぁ~。風邪引いちまうっつ~の…。なぁ?あんたもそう思わない?』
男はおどけた感じでガンプに話し掛ける。
『ふん。だが雨のお陰で貴様等の奇襲がさらに上手くいったんだろう?』
『あ~…まぁね。まぁ、どっちにしろあんた達は全滅は免れないっつ~寸法なんだがね。』
『……………。』
『隊長さん。あんたが恰好付けて部下を逃がした所で状況は変わんないよ。北の方も今頃ウチの軍がチャッチャと終わらしてる頃だろうね。』
男はそう言うと後ろに控えていた部下にエデン達を追うように指示を出した。
ガンプは慌てて止めようと飛び掛かろうとしたが男の槍がガンプの首筋目掛けて振られた為、動きを止められてしまった。
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