シン王・シュバイツ

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―シン王国 王都パンダリア ―パンダリア城内 女『シュバイツ様、ラグノーマ平原にて我が軍が勝利。引き続きセイツ領内へ進攻したとの報告が入って参りました。』 サラっとした長い銀髪を束ね黒い甲冑を装備した若い女が片ひざを付き、頭を垂れ玉座に腰掛けた男に話し掛ける。 その女は更に言葉を続けた。 女『…これで、第一段階は完了致しました。すぐにでも近衛部隊をあと三部隊、セイツへ投入したいと考えておりますが…。いかがでしょうか?』 そう言うと女は顔を上げた。 歳の頃は20代前半といったところか…、かなり整った顔立ちをしている。 女の視線の先には綺麗な金髪をオールバックにし、鋭い目つきをした男が居た。 シン王シュバイツである。 その姿は豪華絢爛。 全身をまばゆい宝石や金の刺繍の入った着衣を纏い、周りを威圧するものがあった。 シュバイツ『トリーン。今回の作戦は全てお前に任せたのだ。作戦が上手くいっているのならば、いちいち私に伺いを立てる必要は無い…。好きに軍を動かすがいい。』 トリーンと呼ばれた女はサッと頭を下げ答える。 トリーン『ありがたきお言葉。ならばこの度の作戦、必ずやシュバイツ様の期待にそえる様、成功させてみせます。』 シュバイツ『まぁ、頑張ってくれ。』 シュバイツはトリーンに声をかけるとスッと立ち上がり奥の部屋へと消えていった。
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