絶望の淵から…

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辺り一面に立ち込める死臭。 日も暮れかけた頃、一つの死体が動いた。 いや、彼はまだ死んでいなかった。 だが、かろうじて生きている状態で、このまま放っておけば必ず死が彼を待っているだろう。 彼は地面に俯せの状態で倒れていた。 何とか目を開けようとするが体はなかなかいうことを聞かない。 手足の感覚は無く、少しでも動こうとすると体に激痛が走る。 彼は、死を覚悟した…。 ようやく開いた目に映ったのは、この世の終わりかと思えるほど凄惨な光景であった。 見える範囲には生きている人などは見えず、助けを呼んだところで誰も答えてくれるハズもない。 彼が全てを諦め目を閉じようとした時、遠くで物音がした。
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