絶望の淵から…

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(誰か…誰か生きているのか…。) 彼は一旦、死を覚悟したハズだった。 だが、もしも生き残れる可能性が残っているのなら…僅かな望みが残っているのなら…彼は、それにすがりたかった。 『だ…誰…か、居る…の…かっ…。』 彼は必死に声を出してみた。 敵の生き残りかもしれない…、ただ風のいたずらで聞こえた音かもしれない…。 それでも彼は生きれるのだったら何でもよかった。 ―ガチャン…。 気のせいではなかった。 彼のすぐ後ろで音がした。
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