絶望の淵から…

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エデンの体力はすでに底をついていた。 胸の辺りに刻まれた刺し傷はもちろん、目の前にある凄惨な光景によってエデンの精神はボロボロになっていた。 呼吸は荒くなり、胸がカーッと熱くなってきた。 エデンの脳裏に十年前の光景と今の光景とが断片的に重なり浮かび上がる。 心の中に恐怖、絶望、悲しみ、憎しみ、様々な感情が浮かび上がっては消えていった。 エデン(また、また大切な人を失ってしまった。あの時から…十年前と何も変わっていない…。俺は…俺は、……無力。) エデンは意識が遠のき倒れてしまった。 ベイル『!?』 遠のく意識の中、ベイルが何かを叫んでいたが、エデンは目を閉じた。 ベイル『エデン!…い!エデ…………りしろ………今すぐ………連れ………か………………。』 エデンは意識を失ってしまった。
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