152人が本棚に入れています
本棚に追加
ラグノーマ平原でのエントール・セイツ連合軍の敗戦の報は各国へと伝わっていた。
エントール王国 王都ウェスト・サングリア エントール城内 王の間
エントール国王『……シンめ!いよいよ本格的に攻めてきおったか。』
エントール国王が拳をにぎりしめ目の前の机を叩いた。
エントール国王の周りには二人の人物が立っていた。
一人は歳の頃は五十近くの初老の男性で小さな体には似合わない大きめな派手な服を着ていた。
もう一人は額から左目を通り口元にまで及ぶ大きな傷がある体格のよい男だった。
初老の男が口を開く。
初老の男『…遂に十二将騎士団まで投入してきましたか…となると、今までの様にはいかないでしょうな…。』
そう言った初老の男はエントール王国の大臣で、名をカルバリーといった。
カルバリーは更に言葉を続ける。
カルバリー『ラグノーマ平原を抜かれたという事は、セイツの危機…。すぐにでもセイツへ援軍を送りたいのですが…。何しろ今回の戦いに負けるなどとは夢にも思っておりませんでしたので、軍の準備に少々時間がかかってしまいます。』
エントール国王『むぅ…。何とかならんのかジュリアス将軍?』
エントール国王は顔に傷がある男に向かって問い掛けた。
最初のコメントを投稿しよう!