四天王

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参謀本部長と会議を済ませた後にジュリアスは一旦、自宅へと戻っていた。 ジュリアス(さて…。まずはあいつから声を掛けるとするか。) ジュリアスは服装を質素な物へと着替え城下町へ出ると、裏通りへと向かって歩きだした。 途中、露店で売っていた林檎を買い、さらに歩を進めた。 20分程歩き、着いた場所は薄暗い路地。 目的の人物がいるのは路地の奥にある酒場だった。 酒場の方を見ると、入口にはジュリアスと変わらない体格の用心棒らしき屈強な男が立っていた。 ジュリアスが酒場へ近づくと、 男『待て!』 と言い、その大きな体で酒場の入口を塞いでしまった。 ジュリアス『何だ?俺はここに用事があって来たんだが?』 ジュリアスは立ち止まり、両手を腰にあてて男に言った。 すると、男は頭をボリボリと掻きながら答えた。 男『今は中でうちの親分が博打を打ってんだ。下手に首突っ込むと怪我じゃすまねぇぞ。他の店をあたんな!』 ジュリアスの眉の辺りがピクッと動いた。 ジュリアス(あの野郎。まーたゴロツキ相手に金をふんだくってやがるな…。) ジュリアスは一つため息を吐くと男に聞いた。 ジュリアス『ひとつ聞かせてくれ。あんたの親分の博打の相手は、金髪の坊主頭で、色黒の体中タトゥーだらけの行儀の悪い男か?』 男『ん!?あいつの知り合いか?』 ジュリアス『保護者のようなモンだ。』 ジュリアスはまた一つため息を吐いた。
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