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一同の視線が扉に向けられる。
扉を開け入って来たのは…チョーク国王でもシン国王でもなく肩で息をして足元が泥だらけの兵士だった。
『お主、何をしておる!ここは国王会議の場ぞ!』
ソフィア国王が怒鳴り終えた瞬間、
『きゅっ…ハァ急報です!ハァハァ…シン王国がチョーク王国を急襲!ハァハァ。チョーク王都カルプスは陥落。チョーク国王はシン軍に捕らえられ処断された模様!!』
ガタッ
一同が立ち上がり声をあげる。
『何ぃ!?』
『な、なんと?その情報は確かなのか?いつの間にそのような事が…。』
『シン軍は今朝未明に王都シンを出発し正午にはカルプスに到着。チョーク軍は軍備を整える間もなく攻められ、あっという間だったとの事にございます。』
『何故シン国王はそのような愚行を…。』
エントール国王が青ざめた表情で呟く。
『それについてですが、こちらは正しい情報かは分かりませんが、シン国王は殺されたとも聞いております。』
ギャスパー国王が身を乗り出して兵士に詰め寄る。
『何?では一体誰がシン軍を動かしておるのだ?』
『それが…シュバイツ王子との事。』
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